農かがくOB木村さんによるブタの脳の解剖実験


4月20日の青空実験教室の後に、農かがくの学生たちに向けて農かがくOBである木村さんによる「ブタの脳の解剖実験」が行われました。


今回の実験では食肉用に屠殺されたブタのうち、未使用部分となって残った頭部を購入して実施しました。ブタの脳の構造はヒトの脳と似ている部分が多く、私たちの脳機能や神経疾患と結びつけながら学ぶことができる利点があります。


解剖の手順としては、まずバールを用いて頭蓋骨の中央をこじ開けて脳を取り出しました。ヒトの脳の重さは男性で1,350~1,400 g、女性で1,200~1,250 gですが(注)、今回解剖したブタの脳の重さを計測したところ96 gであり、ヒトと比べて約14分の1の重さであることが分かりました。重さを測った後、脳の細部を調べるためにナイフやピックを使って解剖を行いました。大脳や小脳、延髄、視床など聞き馴染みのある脳部位を目の当たりにし、ヒトの脳に近い構造であることを実感できました。脳は解剖直前まで冷凍されていたので最初は硬かったのですが、解凍が進むにつれてブヨブヨとした感触になっていきました。また、多少の獣臭さと血の匂いもあったものの、想定していたよりも臭くなかった印象でした。


学校の授業や演習でも動物の脳をじっくりと観察する機会は滅多に無いことであり、せいぜい参考書の写真を眺めたりテレビ映像を画面越しで見たりするぐらいですが、今回は実物の脳を見る・触る・嗅ぐことにより実体験に基づく知識を得ることができました。五感を通した学びの重要性を再認識したこの体験を、今後の青空実験教室の実験内容にも活かしていくつもりです。この様な貴重な機会を設けて下さった農かがくOBの木村さんに感謝です!


(注)(出典:http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/2-37.html)

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